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EuroPCR 2026 学会参加レポート

2026/08/12

世界の医療トレンドを読み、その価値を届ける仕事

医療機器メーカーのマーケティングは、臨床現場でどのような課題が議論され、世界の治療戦略がどこへ向かい、どの技術が今後の選択肢として期待されているのかを捉え、その知見を製品戦略や情報発信へつなげていく仕事です。世界で生まれる新しい知見を、自社製品や市場環境と照らし合わせながら整理し、営業活動や製品開発などへ展開することで、自社製品の特長や有用性を医療現場へ適切に伝える役割を担っています。

今回は、2026年5月にフランス・パリで開催されたEuroPCR 2026に参加し、世界の医療の最前線に直接触れる機会を得ました。パリは、歴史的な街並みと先進的な文化が共存し、美術、建築、食文化、ファッションなど、多様な価値観が交差する都市です。そのような刺激にあふれる場所で開催されたEuroPCRは、カテーテルインターベンション領域における世界有数の国際学会であり、2026年は550のセッション、1,100名のFaculty、12,000名を超える参加者が集まりました。会場では、世界中の医師、メディカルスタッフ、医療機器メーカーが、最新の臨床データや治療戦略について活発に議論していました。
現地で得られるものの1つが、論文やWebニュースだけでは捉えきれない、世界の医療現場のリアルな温度感です。どのテーマに関心が集まり、どの技術や治療コンセプトが議論の中心になっているのか。こうした情報を丁寧に整理し、当社製品や市場環境と照らし合わせながら、その意味や価値を見極めていくことは、マーケティングの重要な役割です。医療機器の製品の価値は、スペック表だけで決まるものではなく、臨床上の必要性、手技のしやすさ、医療経済性、そして医師が安心して使用できるかという複数の視点が重なって、初めて医療現場における価値につながると考えています。


今回のEuroPCRでは、石灰化病変治療、IVUS/OCTを用いた画像診断、DCB、DES、IVL、Atherectomyなど、PCI治療の今後を考える上で重要なテーマが多く取り上げられていました。特に印象的だったのは、医療機器の評価軸が、単体性能だけではなく、治療戦略全体の中でどのように役立つかという視点へ広がっていることです。製品の特性を正しく理解し、どのような症例や治療方針の中でその特長を生かせるのかを考えることは、私たちに求められる大切な役割です。

国際学会で得た情報は、競合分析、販売戦略、教育資料、プロモーション、製品開発、グローバルチームとの連携など、さまざまな業務へ展開されます。そしてマーケティングは、それらの情報を営業担当者をはじめとする社内メンバーにとって理解しやすい形へ整理・共有し、自社製品の価値を一貫して伝えていくための橋渡し役も担っています。世界の医療トレンドをそのまま紹介するのではなく、自社製品や医療現場との接点を踏まえ、「どのようなメッセージとして届けるべきか」を考え、社内へ展開していくことが重要です。

営業担当者にとって、医師との日々の対話は学びの連続です。その対話を支える土台の一つとなるのが、マーケティングが世界の学会で得た知見です。世界の最新トレンドを捉え、自社製品の特長や価値と結び付けて分かりやすく整理し、社内へ共有する。こうした情報の積み重ねが営業活動を支え、営業担当者が医師との対話を深めながら、製品価値を適切に届けることにつながっています。

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